『印南の呪い』

 私の実家から車でちょっと行ったところに、埋立地があります。
 その埋立地に、数年前、某ディスカウントストアなどが立ち並びました。
 私もはまっている「100円ショップ」もあり、行くのが楽しみだな~と、のほほんと構えていました。

 が・・・
 埋立地前の地点の交差点辺りから、急に、足元が何か変な「気」にかかったと思いました。
 説明すると難しいのですか、簡単にいえば、足元から感じる安心感というか、大地のエネルギーが消えた、ということでしょうか。
 もうこの辺りから埋立地なんだねと言うと、母は、「知らんかったん?」とあっさり。

 その、例の埋立地のショップに足を踏み込もうとした時です。
 車から降りて、足をつけたとき、ぬかるみに嵌り込んだ感覚を受けました。
 同時に、周囲に見えてきたのは、古ぼけた木造の船の数々、数々の手、そして、形のない霊体・・・が、うようよしている様子でした。

 歩くたびに足をとられる感覚に襲われるので、その日は早く帰ることにしました。

 数日後、そこに行く機会があり、もう一度そこを視てみることにしました。
 視たところ前回と同じだったので、今回も早々に退散。
 その土地にまつわる何かがないか、色々調べてみました。

 何と、そこは『印南』という所で、海難の名所として古語辞典に載っているほど有名なところだったのです。当然、古代は波も荒く、この辺りで沈んだ商船などがかなり沈んで、その道の人々には恐れられたとか・・・
 そして、その(埋め立て前の)土地に、住吉大明神が祀られている神社があるので、ああやっぱりという気分でした。住吉大明神は、海の神様なのです。

 その後も何回もそこに行っているのですが、視たモノを気にしなければどうってことはありません。
 しかし・・・
 そこで、一度、ラピスラズリのブレスレットをいつの間にか無くしているのです。しばらくお守りがわりにしていたのにもかかわらず・・・