六年前の出来事です。
その頃私は頻繁に『意識飛ばし』をやっており、東京やなぜか中国やヨーロッパの街道まで…。
また、私は『霊相手の霊能者』をしているそうです。
かつて二人の霊能者の女性から、能力があることをほのめかすような回答があったり、 前世も霊能者としてやっていたと思うとか言われています。 けれども、正式に依頼を受けたことはありません。
自分の能力に気がついたのはごく近年なので、疑って掛かっているのが本音です。
そうやって『意識飛ばし』を続けていた結果なのか、急激に痩せてしまい、一人では立てなくなってしまいました。
通院先の病院で、待合室の椅子にも座れなくなった私は、看護婦さんに頼んで、 検査室のベッドを特別に借りることになったのです。
私はそこに母と一緒にいましたが、なぜか周りがざわついています。
視ると、私の周りには、過去数回見たことのある死神の鎌…を持った、何十人もの死神が取り囲んでいたのです。 体力が殆ど限界のその時の私には、彼らを『飛ばす』ことが出来ませんでした。
そこへ、二人の女性(の生霊?)が現れ、私のブレスレットに手を置き、
『すごいね、この子…5000人は上げてるね』
『でも無理し過ぎたんでしょうね』
などと話しておりました。
すぐ側には、八年前に急死した父親(の霊)がいましたが、じっと私を見つめるばかりでした。 そうやっていると、その二人の女性の力に反応したのか、私の周りに結界ができ、 死神たちはスーッと消えていきました。
あの女性たちの力がなければ、多分、私は…。
今でも『意識飛ばし』などをやっていますが、前に比べては控えめにしております。
※この話は、「いずみ」というハンドルネームで『噂の現場』に掲載されたものです。