黄翡翠、トパーズ丸玉、安いラピス

 よくオークションとかネットショップにある「イエロージェード丸玉」「トパーズ丸玉」「大型トパーズ彫り物」云々・・・。
 結論から言いますと、これらはトパーズではなくイエローアラゴナイトもしくは、透明感があるやつはイエローカルサイトです。

 だってそうでしょ。
 何であんなにでかい(数センチ以上)トパーズが産出されるのよ?あれ、宝石の一つと言われてるくらいだから、あれだ。貴重で希少な存在。てか、鉱物的にあんなでかいイエロートパーズはまず産出されない。
 試しにピンセットでいいからその商品を引っ掻いてご覧なさい。
 白く浮き上がった傷跡が、トパーズ否定をしっかり証明してくれます。

 てーか、表面見たらすぐわかる。
 霜降りみたいな模様、縞々模様、割れ模様はまず、アラゴナイトです。
 カルサイトはこれよりもちょっと透明感がある感じ。
 でもどっちにしろ、宝石店やミネラルフェアでトパーズの原石探して見たら、その後すぐに判別の付くことです。

 それと、「ルビーインゾイサイト彫り物」等・・・
 本物と似ても似つかないっつーのに、なんでこんな商品名で出品するかなあ。
 ほら、濃い黄緑色に桃色のまだら模様のやつ。こいつは、ユナカイトと言います。

 本物はより淡い黄緑色にポツポツ黒いエジリンという鉱物に混じって、パープルサファイア(よく見かけるのがこれ。本当のルビーインゾイサイトはそう見かけない)がちらほら見えてるやつです。
 ルビーとサファイアでは産出量全然違いますからね。ルビーはちっちゃい結晶の姿で産出されることが多いものの、サファイアはやや小さなボトルみたいな形で産出されることが多いです(砂粒に混じってちっちゃいのも産出されますが)。
 てーか、同じコランダムの赤色がルビー、その他はすべてサファイアなんですねー。
 この点、エメラルドとアクアマリンその他ベリルと似てますね。同族の石ながら、産出される量が全然違うんです。

 で、もうすぐ私の誕生日なんですが、誕生石。
 私の星座の誕生石も月毎の誕生石もターコイズなので、まず本物天然のお品はミネラルショップでも手に入りません。私の持ってる標本も、樹脂加工してあります。乾燥に弱いんですね。ヒビが入っちゃう。それを防ぐために、また見かけもキレイになるように、表面をコートしてると言うか。詳しいことはわかんないんでここで置いといて。
 とにかく、偽物だらけの石です。

 これは、ラピスラズリも同様です。
 色づきの悪いラピスに、綺麗な紺色を塗りたくっているものや、全く別の石に紺色を染みこませてるもの、練りラピス・・・。トルコ石と同じ常套手段ですね。

 本物、と言うか質のいいラピスは、百貨店の一階程度で売ってるようなもんじゃないですね。とにかく高い。ひたすら高い。天然本物の殆ど無いターコイズに比べたらましだけど、ひどい。
 だから、ネットショップのオークションに出てるラピスは、上記のどれかの手段を経て出品されてるものと言えます。

 他、「黒水晶」、紅さんご、「ヒマラヤ水晶」、チェリークォーツ、でかいブラックトルマリン丸玉など。皆偽物ですから。

 ◆黒水晶は産出量が少なく、市場にあまり出回っていないのが現状で、とてもオークションに出品できるレベルではないことがわかるでしょう。これは放射線浴びさせて真っ黒にしたものです。
 ◆紅さんごは、練り物か塗りです。
 ◆ヒマラヤ水晶ってやつは、表面だけじゃわかりません。クラスターをひっくり返して見ない限り判別がつきません。ヒマラヤ産だけがなぜか、底面がすごくキラキラした輝きが見られます。それを、加工したらもう、普通の水晶と変わらんやん!です。なので、ヒマラヤ産水晶の加工品はまず、違います。
 ◆チェリークォーツ・・・。おなじみのお店にもこのビーズが置いてある・・・。これは、ガラスです。すでに掘り尽くされたと言われるストロベリークォーツを真似て作られたのがこれです。ひどい店になると、これらをごっちゃにしてるところも・・・。
 ◆でかいブラックトルマリンの丸玉。直径が数センチ以上のやつです。稀に出るかもしれないけど、普通はそんな玉を作るような大きさのものは出ませんて。これはたいてい角閃石とかその他の鉱物の練り物ですね。

 てーか、そんなものの本物があったら私が欲しいわ!(笑)